維新派BLOG

凧、揚げました。

冬、奈良で見上げた空が、大きくぽっかりと空いていて、
浮かんでいるのは雲と太陽と月と鳥だけだった。
そんな空を見て思い出したのが、寒くって風の強い冬の田んぼで凧揚げをした、
手が痛かった、子供のときの記憶です。
それは群馬の田んぼだから、全然遠く離れているのですが、
離れた場所でもその匂いや色味や温度から、別の場所の記憶が蘇ることって、あります。

思い出したとたん、もう一回凧揚げしたいなー、と思って。
凧を作って、揚げることにしました。
稽古場でみんなそれぞれ、紙やビニールなどいろんな材料で、絵もつけて、
イカみたいなのやクラゲみたいなのや、さまざまな形に作りあげました。

四月上旬、凧を抱えて奈良市内へ。
春の嵐が過ぎ去った翌日でした。

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冬は一面、緑と茶色で佇み、その色合いも好きでしたが、
春には桜やたんぽぽや明るい花たちが鮮やかに咲いていました。
春ってこんな、くっきりといろんな色が現れるんだなあと、毎年驚かされます。
強風ではなかったですが、ときどき間隔をあけて、凧の揚がりそうな頼もしい風が吹いてきます。

総勢11人で、11匹の凧。
いざ揚げてみると、凧は風にのってぐんぐんのぼっていきます。
人間のほうも、手元の凧糸を触るうちに、子供のころの感覚を思い出し、凧を操っていきます。

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しかし、すべての凧がすぐに揚がったわけではありませんでした。
なにせ手作りだから、教科書通りに作ったつもりでも、揚げてみるまでは、
これで完成なのかどうかがわかりません。

私の凧も揚がりませんでした。
思いきり走ってみても、凧はくるくると回転して落ちてしまいます。
何がだめなんだろうと考えます。
他の成功した凧と見比べ、〈反りが足りないのか!〉とか、
〈尻尾をもっと長くしてみよう!〉など改善点を見つけます。

そうして一個一個、可能性を試して改良し、また揚げてみる、というのを繰り返しました。
小一時間そんなことをしていたでしょうか。

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凧が、勢いよく空高く揚がりました!
このときの嬉しさったらないです。
本当に、笑っちゃいます。
さっきまでと同じ凧とは思えないです。

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風にのった凧は、生きてるみたいに動きます。
それを見ていると、自分が空を飛んでいるような不思議な気持ちよさが湧いてきます。
30~50メートルくらい上から、その振動が糸を伝わり、空の情報を手元に送ってきます。
空と地面を繋ぐ、魔法のおもちゃですね!本当に。

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夢中になって、走っても走っても疲れないで、水たまりのでこぼこの地面の上、遊び回りました。
子供に返った、というより、大人も子供ですね。

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日常を忘れて、目の前を飛んでる凧で遊ぶ、それだけをする、それだけに今の時間をめいっぱい使う。
そうやって夕方がくるまで遊んで、へとへとに疲れたけど、すごく良い日でした。
楽しかった!

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(坂井遥香)