維新派BLOG

風を呼んで

出航前の大阪は雨模様
雨で金木犀が散っていく

金木犀の匂いが子供のときから好きだ
秋になるとあの甘い香りが
どこからともなくやってきてうっとりする

香りは写真にはうつせないから
すごく個人的な感覚でそれぞれの身体に入っていく

でも あの黄色いのは花で
それが咲いて香っているんだと知ったのは実は去年

稽古中台本の説明を聞いて知ったこと
よく見たら小さい星みたいな花がくっつき合っている

維新派に入ってから覚えたことの一つに
いろいろな花の名前 がある

みんなと一歩外へ出ると
「すみれだ」「やまぶきだ」「藤が咲いてる」
花の名前を呼ぶ声

台本にたくさん花や植物の名前が出てくる
見たことのない花 聞いたことのない花
松本さんや先輩たちが
これはこんな花だと教えてくれる

「りんどう」「つゆくさ」「あざみ」
台詞にあった花を現場近くで見つけたときは
とても嬉しい気持ちになった

中秋の名月に稽古場でお月見をした
すすきと並んで飾られたのは「ほととぎす」という花
今年新しく覚えた花の名前

金木犀は 目の前にあるときよりも
見えないときのほうがその存在をつよく感じる
ちょっと不思議でいいなあと思う

辺りに一気に秋が満ちて
もう夏の暑さも忘れてしまったけれど
もうすぐ今年二度目の夏がやってくる
これから向かうのは気温三十度超えの熱帯 高雄

春―夏―秋―夏
季節の中を駆け抜けるぞ

(坂井遥香)