少年ワタルと仲間のチョウ、テツオは、ある日死んでしまった兄貴分のセントクの遺骨を運河に流す。直後に不良グループに襲われて気を失ったワタル。気がつくと彼は瀬戸内海を西に向かう小さな舟に乗っていた。 上陸した小さな島には巨大な煙突の立ち並ぶ精錬所があり、明治時代の労働者たちがモッコを担いで働いている。そこに混じって働くチョウとテツオを見つけたワタルは、死んだセントクと瓜二つの、韓国語を話すソンスという青年に出会う…
岡山市唯一の有人離島、犬島での公演。昭和初期に操業停止した銅精錬所の跡地に野外劇場を建てた。 メンバーは公演の一ヶ月半前に犬島入り、約2ヶ月間島に滞在して作品を完成。全国から4000人という観客を動員。 「流星」でダイアローグを廃し、言葉と音楽を解体し、感覚に訴える方法論を確立した維新派が、ストーリーとスペクタクルを融合させた作品で高い評価を得た。
構成・演出 | 松本雄吉 |
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音楽 | 内橋和久 |
舞台監督 | 大田和司 |
照明 | 柿崎清和・PAC |
音響 | 松村和幸・move |
音響効果 | 塚田珠美 |
舞台美術 | 田中春男 |
衣裳 | 高野裕美・維新派衣裳部 |
メイク | 名村ミサ・松村妙 |
ヘアデザイン | 新宮延子 |
宣伝写真 | 福永幸治 |
犬島写真 | 伊東俊介 |
宣伝文 | 村上美香 |
宣伝美術 | 東学 |
屋台村ディレクター | 玉置稔・白藤垂人 |
制作 | 衛藤千穂・李胡姫 おかやまアートファーム |
ワタル | 春口智美 |
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チョウ | 岩村吉純 |
テツオ | 石本由美 |
ソンス | 田中慎也 |
キャバレーの支配人 | 木村文典 |
船の上の兄弟 | 新田ヒロユキ・江口佳子 |
リヤカーの家族 | 早乙女憲・石黒陽子・佐藤亜希 |
妖怪のコメディアン | 升田学・鹿田大樹・藤木太郎・栃下亮 |
楽隊 | 大岸孝行・小松敏夫・坊野康之 坂元直樹・東恵司・望月慶二郎 森正吏 |
草の精 | 平野舞・みずちおむ・大駕直央・藪実里 エレコ中西・四谷エスタ・石丸史夏 川田きよ・久慈麻美・稲垣里花 中麻里子・久保田暢子 |
日程/2002年7月19日〜21日、26日〜28日
場所/岡山県犬島・銅精錬所跡地
主催/犬島アーツフェスティバル・岡山市・維新派
動員/4000人
第2回朝日舞台芸術賞受賞
次々に展開される舞台イメージに見応えがある。(中略)―どれも美しい。メッセージも含まれているが、イメージそれ自体で成立する美しさである。(毎日新聞・宮辻政夫氏) 幻想的な星巡りから戦争、混沌、蜃気楼のような都市での彷徨へと突き進む。猥雑な巨大キャバレー、銀河に咲くハスの花の精など、ダイナミックで幻想的なシーンが連続する。夕闇から漆黒へ、空の色が変わっていく時間の移ろいの中で、一大スペクタクルを構築する。この「力業」が維新派の魅力だ。(読売新聞・山森雅弘氏) “漂流する劇団”に引き寄せられた観客たちは、”島劇場”で五感をゆさぶられた。(共同通信)